◆◇◆EMG Pickups◆◇◆
EMGとは「エレクトロ・マグネチック・ジェネレーター」の頭文字から、つけられた名前です。


Mr.Robert Turner 《President》
1974年にロバート・ターナー氏(EMG,Inc.President)は自宅ガレージの後ろで、そのキャリアをスタートさせました。創めの内はアンプの修理・モディファイをしていました。1969年頃から"ピックアップ"についての構想もあったようですが、数年後まで「ビジネス」としては取り掛からなかったようです。
1976年4月に「Dirtywork Studios」という社名で営業許可を取得し1978年に社名を「Overlend」に変更しましたが、「EMGピックアップ」という名前の方が世間に広まったことを切欠に1983年に現在の「EMG, Inc.」になったのです


「リプレイスメントピックアップのすべて」に「Dirtywork Studios」製PUが紹介されています。



[ New Old Story l 年代鑑定エポキシ樹脂・パッケージ l マグネットビューアー l カタログ ]


EMG New Old Story


1984年頃のデータ
上記のデータは、1984年頃販売されていたEMG製品に付属していたデータ表です。現在も同じようなデータ表が配線図と一緒に付属してきます。上記の"ResonantFrequency"に特に注目してください



1990年のデータ

上記のデータは、1990年に販売されていた製品に付属のデータ表です。

現在のピックアップ・データとの比較
現在のデータはEMGのホームページ上にあります。下のリンクからどうぞ
Resonant Frequency (kHz)
-- 1984年頃 1990年頃 2001/6
81 2500Hz 2250Hz 2.25kHz(2250Hz)
60 4000Hz 3100Hz 2.95kHz(2950Hz)
H 4000Hz 4350Hz 4.35kHz(4350Hz)
参照http://www.emginc.com/Specs.html
現在のデータは"EMG"のHPを御覧下さい

数値を比べてみればお分かりの通り、周波数特性の数値が現在とは違います。
一部のEMGユーザーが指摘する同じモデルでの音の変化は事実でした。
特に「60」に関しては2度に渡りマイナーチェンジを受けたようです...!


注:「58」に関しては現在EMG-CustomShop製です。わたしは初期モデルしか所有しておりませんので比較できません。





年代鑑定方法
皆さんはピックアップ本体裏に「IC」「IE」といったシールを御覧になったことがあると思います。
無い方は下の画像を参照してください。
そのシールから、ご使用のEMGがいつ製造されたか分かります。

A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
1
2
3
4
5
6
7
8
9
0
「IE」なら「I」が「9」、「E」が「5」なので1995年ということです。
機会があれば御覧になってください・・・。

JA(2001年)

(画像提供 "CatWorks")





エポキシ樹脂・パッケージの変容


OVERLEND EMG
EMGとして極極初期のハムバッカー

EMG-DM(デュアルモード)
EMGオリジナルハムバッカーのひとつで現在の「89」のルーツ

"EMG"としての極極初期の製品で、エポキシ樹脂で固めてありません。本体に大きくロゴが入っているのが特徴で、しかもこの頃の製品は「18V」仕様でした。ルカサーがEMGを使うようになった頃、赤いテレキャスター・モデルにEMGのハムバッカーを載せていましたが、これと同じスタイルのモノでした。


初期から現代のスタイルの間にあった過渡期(?)のモデルでボディ・トップに大きく"EMG"のロゴがあるが、極初期の「エポキシ無し」のモノと違い、全体を今と同じくエポキシ樹脂で固めてあります

EMGとして極極初期のシングルピックアップ

"EMG"としての極極初期の製品で、エポキシ樹脂で固めてありません。本体に大きくロゴが入っているのが特徴で、この製品は「9V」仕様です。
なお、モデル名「SA」または「S」は不明・・サウンドは現在のものより若干ではありますが、力強さを感じます。ただし、これについては他のマテリアルのギターにも載せ換えて報告する予定です。

極初期のEMGピックアップ [第1期(現在のスタイルになってから・・)]

ピックアップ本体の隅に小さくEMGというロゴが入るようになった直後のスタイル。表から見ると現在と同じようなスタイルですが、裏を見ると画像の通り"エポキシ樹脂"で本体を固めていない為に簡単に本体から外す事が出来ます。コイルはエポキシで固められ、しかもその回りを薄い金属膜で覆っているという非常にデリケートな作りになっています。ピックアップを固定する「足」は現在のモノと違い、ベースプレートと同じ素材で出来ています。一般的なピックアップと同じような作りです。過渡期のモノだと思います。


初期のEMG81・58 [第2期]

現在のスタイルになり、一応製品としての規格が落ち着いたモノ。エポキシ樹脂はキャラメル色で、非常に丁寧に本体を固めてあります。また、現在のモノとの違いは本体から直接アッセンブリーへの配線コードが出ているタイプです。周波数特性もこの頃と現在のモノは違います。

中期のEMGピックアップスタイル [第3期]

初期の製品と同じく本体から直接コードが出ているスタイルですが、エポキシ樹脂が「キャラメル色」から「黒」に変更になりました。

現在のスタイル [第4期]

エポキシ樹脂は中期と同じく「黒」ですが、よく見ると所々にエクボ(凹んでいる)があります。おそらくエポキシ樹脂の規格を変更したか、同じエポキシの粘度を変更したものと思います。それまでの製品に比べると『キッチリ』とつくった印象が薄れてしまったようにも感じます。(そんなことは無いのですが・・。)また、コードはコネクター式になり、簡単にモデルチェンジできるようになっています。これについても『シッカリ感』が薄くなったようにも感じます。
追記
コネクター式のはとても便利です。個人的にはコネクターを挿したときにに「カチッ」っとロックされるともっとよかったように思ってます....

EMG Silver 25th Anniversary models

EMG-25


世界限定2500個のアニバーサリーモデル、リアルナンバー入り



Magnetic Viewing Film
EMGより販売されている"Viewer Film(カタログではペーパーとなってますが・・)"で、封印されているマグネットの様子を「磁界」という形で見ることが出来ます


EMG58

EMG60

EMG81

EMG85

EMG-H

EMG-HA

EMG-S

EMG-SA

Viewing Paper裏
御覧になればお分かりの通り黒く見える部分がマグネットです。
"58"はうまく撮影できませんでした。興味深いのは"60"で他のハムモデル同様ダブルコイルなのは確認できますが、"81"や"85"と比べて2つのコイルがピックアップ本体の上の方(ネック側)にオフセットされた位置にセッティングされていました。
"81"の磁界がハッキリとでないのは、わたしの撮影技術が悪い為だと思いますが、磁界が強い為か??とも思いました。再度撮影してみます。
今回のマグネットヴューアーで特に確認したかったのは"85"において『コイルの隙間を若干設けた』というカタログの記載を見たかったというのがありましたが、目視ではできませんでした。当たり前のことだとは思いますが、残念でした。
また、古いカタログにおいて"EMG-H"のマグネット配置が本体に斜めになるようになっていたのですが、今回見る限りでは本体上部に真直ぐ《弦に対して垂直になるように》に配置されていたのが確認できました。





Catalog


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(42KB)

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英語版のカタログです。
"SV""SAV""89"や、SL20等のプロモデルもラインナップされていないので結構古いのですが、すでに"58"はレギュラーから外されているので'80年代後半から'90年代にかけて・・・・おそらく90年代前半のモノだと思われます。。




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最新版
現在おなじみの製品がすべて網羅されています。また、"25th"のマークも入ってます。




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EMG-HZ 2002年度版
詳細は→GO....!
いままでのEMG製品に比べて豊富なラインナップで選択の楽しみもあります。
当サイトではアクティブタイプのみに拘った部分もありますが、今後は"HZ"にも焦点を当てていきたいと思ってます。
(Thanks "OPERAEMON")




フェルナンデス(1984年度版)によるEMGカタログ
2ページに渡って各モデルのデータ、特色を紹介してます。"85""89"はまだ登場してないので、ラインナップされてません!




Player(98/11号)誌に掲載されたカタログ(広告記事)
この時点でまだ"58"はレギュラーモデルでした。価格も"81"や"85"と同じだったようです。
興味深いのは"EMG-ACCESSORIES THE BOX 「DB2」"と言うモデルです。
記事には『・・・EMGを扱う有名ショップならば必ずスタンバイされ、あなたのプラグインを待っている。』となっていましたので、わたしはてっきりEMGアクセサリーの販促用デモ機だと思っていましたが、よくよく価格表を確認してみると定価が設定してありました。個人ユーザーの購入もあったかと思いますが、ほとんどは楽器店向けという位置付けだったと思われます。(たぶん)




"OKADA INTERNATIONAL"のEMG広告
ハイエンドな製品の正規輸入元としてもお馴染みの株式会社オカダインターナショナル...!

//番外編//
他のメーカーのピックアップもありますが、それでもやはりValleyArtsにEMGという組み合わせは人気がありました。
ということで、雑誌にて紹介されたValleyArts(U.S.A.)の記事を番外編ということで載せてみました....!



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